【不妊治療】絨毛染色体検査・染色体異常について、くわしく説明します

不妊治療

絨毛染色体検査とは

絨毛染色体検査(流産胎児絨毛染色体検査)とは

流産手術で取り出した絨毛組織(胎児組織の一部)を培養し、染色体異常を検出する検査です。当院では最も基本的なG分染法をおもに用いています。

G分染法では、染色体の数や形から染色体数の異常(異数体、倍数体など)や構造異常(転座、欠失、重複など)を見分けることができます。この方法で原因が特定できる例は流産の約80%です。G分染法で検出することができないほど細かい遺伝子の変化が原因で流産が起こっている場合は、流産の原因が特定できないことがあります。

絨毛染色体検査をやる意味

絨毛染色体検査(流産胎児絨毛染色体検査)の意義

染色体異常の種類が明らかになった場合、流産の原因が分かります。

数的異常は偶然に生じるものであるため、他の受精卵に必ずしも同じ事が起こるとは言えません。次の妊娠に向けて再度同じことが起こるリスクは、同年齢の方と同じ程度であると言えます。

構造異常が明らかになった場合、今回の胎児に新しく生じた変化なのか、両親のどちらかから受け継いだ変化なのかを明らかにするには、両親の染色体検査(血液検査)が必要です。両親のどちらかから受け継いだ異常であり、そのことが原因で流産が続いている(2回以上)と考えられる場合は、「着床前遺伝子診断」により流産しやすい受精卵をあらかじめ検査するという選択肢があります。

これらは浅田レディースクリニックでもらった説明文書に記載されていた内容です。

流産と染色体異常との関係

一般に、流産は妊娠の約15~20%に起こり、その中の約8割は胎児に染色体異常が起きていると言われています。

このことから、3回流産(習慣性流産)を繰り返した方でも約半数の方は、胎児に起きた染色体異常がその要因となっていると考えられます。

このような方は母体側にリスク因子がなく、次回の妊娠で約8割の方が流産せずに出産されている報告があります。

絨毛染色体検査をして、数の異常という結果だった場合は、今回の流産時のみに起こった胎児の染色体異常ということです。もし流産が続いている方は、甲状腺機能異常や子宮形態異常がないか、不育症のリスク因子の検査を、いまいちど確認してみてください。それらに異常がなければ、流産率は同年齢の方と変わりません。移植を続ければ妊娠・出産につながると思います。

構造異常という結果だった場合は、両親のどちらかが生まれつき染色体異常を持っているということになります。血液の染色体検査を受け、絨毛染色体検査の結果と照らし合わせ、今後は、正常胚を見つける着床前診断へ進むことになります。

この検査を受けるかどうか、迷っている方の何かお役に立てばうれしいです。

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