胚移植をするとき、子宮内膜の厚さを測りますよね。
内膜の厚さが薄い場合は、移植中止になる可能性もあります。
胚移植に適した、子宮内膜の厚さって、何ミリ~なんでしょうか?
わたしなりに調べてみました。
子宮内膜って?
子宮内膜:受精卵が着床する組織。
月経の時に出血と一緒に、はがれて腟から出て来る子宮の内側にある組織。
子宮内膜の厚さは、着床しやすさに大きく影響します。
胚移植の前に、何度かエコー検査で厚さを測っていると思います。
胚移植の際、内膜が薄くて移植中止になった方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、内膜の厚さは何ミリなら移植に適しているのか、文献や医師から得た情報をまとめてみました。
子宮内膜の厚さが7ミリ以上だと移植OK?
カナダの文献より⇒7mm以上が望ましい
参考にしたのは、カナダの研究で、胚移植の時の内膜の厚さと臨床成績の関連を分析した論文です。
「2013年1月1日〜2015年12月31日までの新鮮胚移植、凍結融解胚移植の内膜厚と臨床成績の関係」
Human Reproduction, Vol.33, No.10 pp. 1883–1888, 2018
内膜の厚さは、
・植新鮮胚移植周期ではトリガー時に測定。
・凍結融解胚移植周期では黄体ホルモン開始前、またはLHサージ出現前に測定。
⇒わたしの移植周期の場合、黄体ホルモンのお薬ルトラールを開始する前の診察時で測った内膜の厚さです。
<凍結胚移植の内膜の厚さと、妊娠率・生産率の関係>
子宮内膜の厚さ | 胚移植の症例数 | 割合(%) | 妊娠率(%) | 流産率(%) | 生産率(%) |
≧8mm | 16263 | 85.9 | 38.4 | 26 | 28.4 |
7.0~7.9mm | 2130 | 11.2 | 38.3 | 28.4 | 27.4 |
6.0~6.9mm | 413 | 2.2 | 31.7 | 25.2 | 23.7 |
5.0~5.9mm | 80 | 0.4 | 28.8 | 47.8 | 15 |
4.0~4.9mm | 33 | 0.2 | 27.3 | 22.2 | 21.2 |
<4mm | 23 | 0.3 | ー | ー | ー |
合計 | 18942 | 100 |
<この表から分かること>
・内膜の厚さが8mm以上と、7.0~7.9mm以上のグループでは、妊娠率・生産率(出産率)に大きな違いはない。
⇒内膜の厚さが7mm以上が理想。
・6.0~6.9mmより下のグループになると、妊娠率と生産率は下がり、流産率は上がる。
・4mmのグループは、症例数が少ないこともありますが、妊娠数が0。
・4~6.0mmの内膜の厚さでも妊娠、出産は可能。
⇒薄い内膜でも、十分に胚が着床能があることを意味する。
*問題点*ほとんどの移植が、内膜の厚さ7mm以上で行われており、7mm未満の症例数が少ない。
不妊治療クリニックの医師⇒7mm以上が望ましい
わたしが通院している、浅田レディースクリニックでは、黄体期に入る直前の検査で、内膜が7mm以上であれば、その周期は移植できると判断しています。
<子宮内膜の厚さの平均値>
・月経後 1mm(月経後は1日0.5~1mm厚くなる)
・排卵時(黄体期前) 7~10mm
・着床時 10mm以上が理想(15mm以上は高い着床率が期待される)
ここで知ってほしいのは、生理中から子宮内膜は育ち始めているという事。
わたしの移植周期の場合、
黄体期に入る1週間前(だいたい月経10前後)に受診し、エコーで内膜の厚さをはかっています。
そのとき、だいたいいつも7~8mmくらいです。
そこから内膜が1日0.5mm成長したとしても、移植時(月経22日前後)には13mmくらいに成長していることになります。
<浅田レディースクリニックの基準>
月経10日目前後のエコーで、
内膜の厚さが7mm以上なら、移植OK
内膜を厚くするにはどうしたらいいの?
子宮内膜の成長メカニズム
FSHホルモン(脳下垂体)
↓ FSHが血流にのって卵巣へ
卵胞が育つ(卵巣)
↓
女性ホルモン分泌(卵巣)
↓ 女性ホルモンが血流にのって子宮へ
子宮内膜が成長(子宮)
*女性ホルモン:エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)
なので、子宮内膜が育つためには、これらが必要になります。
・FSHという脳下垂体からのホルモン
・血流
・卵子の成熟
・女性ホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)
内膜を厚くするためにはどうしたらいいの?
子宮内膜の成長に必要なホルモンや血流から、説明します。
・FSHという脳下垂体からのホルモン
⇒毎月ちゃんと排卵している方は大丈夫。
⇒低かったり高い方は、薬によってコントロールが必要です。
・血流
⇒冷え性の方は血流が悪いので、運動や漢方、温活がおススメ。
・卵子の成熟
・女性ホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)
⇒卵胞の成長が遅かったり悪い場合は、女性ホルモンが分泌されなくなる。
⇒子宮内膜が育ちにくくなる。
⇒不妊治療クリニックで自分に合った卵巣刺激法を組んでもらいましょう。
やっぱり内膜を厚くするために、自分でできることって限られてますね。
日々の運動や温活、食生活の改善を行ったらいいのかなと思います。
どなたかの参考になればうれしいです。
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