胚移植後の過ごし方、運動や鍼灸・サプリ、前向きになる言葉

不妊治療

移植後は、心がざわざわ

移植後の過ごし方って、移植を何度経験した後でも、何が正解かよくわかりません。

「いつも通りに過ごしてくださいね。」のいつも通りってなんだろう。

陰性と判明するたびに、あれがダメだったんじゃないかとか、これが原因?とか色々考えてしまいます。

こんな時期に、芸能人の妊娠ニュースや、友人の妊娠・出産報告を目にすると、心がざわざわして、素直によろこべません。

移植が終わってからの2週間前後は、判定待ちの日々です。通院する必要もないので、ただ結果が出るのを待つだけ。だから余計に、くよくよもやもや考えがちです。そのせいで、すぐ眠れなかったり、早く目がさめちゃったりします。

この期間を少しでも気分よく、前向きに過ごしたいと思い、自分なりに振り返ったり、移植後の過ごし方についてエビデンスのあるものを調べてみました。

今までの、移植後にやっていたこと

ここ3年間の本腰を入れた体外・顕微の治療中に、自分が行ったことをまとめました。

鍼灸:採卵移植4周期、約8か月ほど続けました。鍼灸では、子宮・卵巣・卵管などの血行を良くすることや、子宮内膜を厚くするころ、手足やお腹の冷えの改善を目的に行っていました。1週間に1度通っており、移植後は週2回行くこともありました。結果1度妊娠しましたが、流産しています。

ヨガ/ホットヨガ:ヨガは以前から続けていましたが(ヨガ講師の資格を一応持っています)、移植待ちの期間に、ホットヨガに通いました。ヨガをしながら、たっぷり汗をかくのが着床にいいのではと思い、3-4周期試しましたが、陰性でした。

岩盤浴とスーパー銭湯:これもホットヨガと同じ時に、行っていました。体の冷えを防ぐために、体の内部からあっためようという作戦です。3-4周期試して陰性のためやめました。

サプリメント:妊娠前から飲むといいと言われている葉酸、着床率アップのためのビタミンD、子宮環境を整えるためのラクトフェリンに落ち着きました。以前は、他にもマルチビタミンのサプリや、DHEAサプリ、ASADAサプリも飲んでいました。

漢方:当帰芍薬散を、冷え改善のため半年ほど飲みましたが、漢方だけの効果なのかよく分からず、代わりに運動の強度を上げることにしました。

運動:採卵周期は、週2-3回ウォーキング、週2回ほどジョギングしていました。移植直後は、ウィンドウショッピングやウォーキング、少ししてからジョギング再開していました。

子宝スポット巡り:愛知から行ける範囲でのスポットをかなり回りました。お守りたくさん持ってます。でもまだ妊娠していません。

ふりかえってみると、かなり色々やってますね。笑

もっと続けていれば、冷え症などの体質改善につながったものもあるかもしれません。でも途中から、冷え症は運動で改善すれば一番安上がりなのではと思いたち、現在にいたります。

*これらは、私に、染色体の構造異常があると判明する前に試していたことです。今となっては、これらをやってもやってなくても、あまり変わりはなかったのではと思います。

移植後の注意点、エビデンスのあるもの・ないもの

移植後にした方がいいこと、やったらダメなこと、摂取したらいいもの・悪いものについて調べてみました。

運動・日常生活

結論から言うと、「普段からの運動習慣が妊娠につながる」です。

アメリカでの報告では、胚移植後に、日常生活での動きや運動の強度は、妊娠率に影響がないとあります。またこの報告では、過去の活動性や運動などは、妊娠率を向上させるとなっています。

数年前までは、受精卵が着床するまで動かない方がいいと言われていて、胚移植後に院内で安静を保つという指導がされていましたが、その効果は否定されています。

つまり、胚移植後の日常生活は、通常通りでよく、普段からの運動習慣が妊娠につながる、ということです。

確かに、自然妊娠の場合は、いつ着床したかなんて分からず、何も気にせず普通の生活を送っていますよね。

性交渉

結論は、着床期の性交渉は、ひかえた方が無難ということです。

受精卵は子宮の中に戻されており、性交渉は腟内で行われるので、妊娠への影響が無いようにも思います。

ですが、着床期に「性交渉がない」「1回だけある」「2回以上ある」グループを比較すると、2回以上のグループで着床率が下がる、という報告がありました。これは、回数の問題ではなく、着床期の性交渉は妊娠率を低下させる可能性がある、と言うことです。

着床しやすい食べ物

着床環境をととのえる効果が報告されているのは、抗酸化物質とよばれるものです。そのひとつがビタミンDで、卵の質を高め、着床率をアップさせると言われています。抗酸化物質をとることで、出産率が26~43%に上がるとされています(不妊患者の出産率20%)。

ビタミンDが豊富な卵をたくさん摂取するという方法もありますが、とりすぎには注意です。他の抗酸化物質には、ビタミンE, C, B群, アルギニン, コエンザイムQ10, メラトニンなどがありますが、まだ明らかなエビデンスはありません。

アルコール・カフェイン

体外受精を受けているカップルを対象とした調査では、妊娠前のアルコールは出産率を低下させるという報告があります。また妊娠中は、胎児性アルコール症候群の原因となるため、アルコールは避けた方が良いです。しかし、移植後に限定したアルコールやカフェインのエビデンスはありません。

アルコールもカフェインも、摂りすぎはよくないけど、軽くならOKということですね。移植後は、いつもより少し量を減らしたり、デカフェにしてみるのもアリですね。

お風呂・サウナ

胚移植後に限定した入浴との報告はありません。

シャワーけでなく、浴槽につかる方が当然、身体が温まりますが、熱い湯船に長時間、というのはNGです。

ちなみに、サウナは、私のクリニックの医師からはやめておくように言われました。受精卵は熱に弱いという理由だけど、そうするとホットヨガもダメということかな。

車、自転車の振動

車の運転での振動や、とくに自転車の振動が、着床時にはよくないと、ネットで見かけますが、実際に妊娠への影響は明らかになってはいません。

妊娠中の自転車運転は、バランスが悪くなり、事故の心配もあるのであまりすすめられませんが、胚移植から妊娠判定までは、悪路を長時間走るなどの極端な乗り方でなければ、制限する必要もないのかなと思います。

ヨガ

適度な運動と同じように、ヨガは血行を良くし、リラクゼーション効果も期待できます。そう言う意味では胚移植後も良さそうに思われますが、ヨガも同様にエビデンスはありません。

ホットヨガは、さらに身体を温め、発汗によりストレス発散できそうですが、ホットヨガによるカラダの温め効果についても、報告はありません。ですが、上のお風呂やサウナにもあるように、温めすぎによるマイナスの効果があるかも知れません。

運動もヨガも、適度ならば良い、と考えますが、ホットヨガのように身体に負担がかかるかもしれないものは、避けた方が良いかもしれません。

鍼灸

ドイツの中国の共同研究では、体外受精の移植前後に鍼治療を行うと、妊娠率が42.5%に上がったと報告しました。鍼治療をしなかったグループの妊娠率は26.3%となっています。

子宮や卵巣の機能を高める鍼治療と、手足や腰・お腹の冷えを予防する鍼治療、さらにリラックス効果もあり、これらの組み合わせが妊娠率アップをもたらすのではないかと思います。

自分の体と相性がよければ、鍼治療をつづけてみるのもいいかもしれませんね。

ホッカイロ・湯たんぽ

使い捨てカイロや湯たんぽなどの温活効果は良いと思われますが、これもホットヨガや入浴のように、温めすぎて逆にマイナスの効果を引き起こす可能性があります。子宮や卵巣をポイント的に温めすぎてしまうことがないよう、タオルにくるんだり、重ね着の上から使用するなど、ひと工夫が必要かなと思います。

エビデンスがあるもの=論文での報告があるものと、ないものについて、挙げてみましたが、まだまだはっきりしないものも多く、こうした方がいいと明確なものはありませんでした。ですが、アルコールやカフェインの取りすぎ、サウナやホットヨガ、性交渉は控えた方がいいということは分かりました。

移植後、前向きに過ごすための言葉

移植後、「なんかお腹がチクチクする」とか「これは着床出血?」とか、逆に「何も症状がないんだけど」とか、色々気がかりなことは多いですよね。

そんなもやもやした期間を、明るく楽しく過ごすために、私が最近口にするようにしている言葉があります。

「きっと大丈夫」

「ありがとう」

です。

不安になってくよくよしちゃう時には、お腹をさすって、‟きっと大丈夫”ととなえます。

今、受精卵は着床しているかもしれない、赤ちゃんのもとはちょっとずつ育っているかもしれない。お迎えした後は、少しでも前向きに過ごした方がいいよね。悩んで落ち込むのは、結果を見てからでいいよね。

そう思いながら、夫にあたるのを我慢しつつ、‟ありがとう”を伝えています。

少しでも多くの方が妊娠されますように。無事出産されますように。

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