流産とわかったときの悲しみ
わたしは、3度の妊娠と流産を経験しています。
すべて8週での稽留流産でした。
流産は本当につらいものです。妊娠して幸せな気持ちから、一瞬にして、悲しみや絶望へと突き落とされます。
私の場合は、結婚して7年目に初めて妊娠したのでとてもうれしかったですが、毎週のエコー検査が本当に不安でした。
8週で転院した産婦人科のエコー検査で、心拍が止まっており、2人の先生が流産で間違いないと判断したとき、涙があふれてあふれて止まりませんでした。
1時間ほど別室で泣かせてもらって、落ち着いたら、手術の説明を聞き、夫にも連絡しました。
初めての流産のときは、とてもつらかったのを今でもよく覚えています。
今回は、わたしの過去の流産の経験をまとめてみました。流産の経緯や、手術方法のちがい、手術を受けた感想などをつづっています。
つらい流産を経験している方へ、何かお役に立てれば、心に寄り添えればうれしいです。
わたしの3度の流産の経緯
私は、過去3回の妊娠→流産を経験しています。
この3度の妊娠は、すべて浅田レディースクリニック(ALC)さんに通い始めてからです。
それまでは、妊娠したことはありません。
過去の妊娠、流産の経緯はこんな感じです。
① 2018.11月 : ALC1回目の移植で妊娠。
心拍が見え、7週で卒業。
(年末年始にもし緊急事態が起こった場合、ALCですぐ対応できないため早めの卒業)
⇒ 転院時のエコーで、心拍止まっており8週で流産、家の近くの産婦人科で稽留流産手術。
② 2019.11月 : ALC6回目の移植で妊娠。
心拍が見えず、8週で流産。ALCで稽留流産手術。
➂ 2020.2月 : まさかの自然妊娠。
心拍確認できず、8週で流産。ALCで稽留流産手術。
②と➂は、胎嚢までしか見えず、心拍が見えるか8週まで様子見でした。
流産とは
そもそも、流産って?
流産とは、妊娠22週(赤ちゃんがお母さんのお腹の外では生きていけない週数)より前に、妊娠が終わってしまうこと、をいいます。
妊娠全体の15%前後が、流産してしまうというデータも。
流産の80%近くは、妊娠12週未満の、早い時期での流産が占めます。
その原因として最も多いのが、受精卵側の異常(染色体等の異常)と言われており、妊婦さんの日常生活が原因で起こるものではありません。
流産の種類は3つあります。(症状による分類)
<流産の種類>症状による分類
・完全流産:子宮の中身が完全に排出されること ⇒ 手術の必要なし
・不全流産:胎児の一部が子宮内に残っている状態 ⇒ 手術 or 自然排出
・稽留流産:子宮内妊娠が確認されたが、その後発育や心拍が認められず、子宮内に胎児がとどまっている状態 ⇒ 手術 or 自然排出 ←わたしの場合
自然排出を待つ場合、突然大量出血が起きる場合があるそうです。状況を見て医師と判断されてください。
流産手術の方法は2種類?
<流産手術の方法>
・掻爬(そうは)法
・吸引法
現在、日本で行われている流産手術は、この2つの方法で行われています。
両方とも、手術器具を子宮内に挿入して、子宮の中にある組織(絨毛成分や胎児の成分)を摘出するやり方です。
搔爬(そうは)法
<手術方法>
特殊なハサミ状の器具を使って、子宮内容物をかき出す。
<特徴>
日本の多くの大学や産婦人科医院で、この方法が多く使用されている。
<メリット>
1.手術の目的である胎盤の摘出について、手術中にリアルタイムで状況を確認することができる。
2.帝王切開の経験がある場合でも、子宮破裂を防ぐことができる。
3.医療器具の洗浄が簡単(感染を防ぐ)
<デメリット>
1.不用意な操作により子宮に傷がつくことがある。
2.手術後3日間は絶対安静!仕事は休み、家でもあまり動いてはいけません。
2.子宮筋腫を持っていたり、子宮の形が変形している場合は手術に時間がかかる。
吸引法「MVA法(手動真空吸引法)」
<手術方法>
吸引管を子宮内に入れ、吸引により子宮内容物を吸い出す。
<特徴>
外国ではこの方法が多く用いられており、WHO(世界保健機関)が推奨。日本では2018年より保険適用になった。
<メリット>
1.手術時間が早い(10~15分)⇒日帰りで手術可能で、次の日から仕事OK
2.子宮などに傷がつきにくい
3.術者による差が少ない
4.週数が小さい場合は掻把法に比べリスクが少ない
<デメリット>
1.週数が進んでいる場合、できない場合がある。
2.帝王切開の経験がある場合、子宮破裂をおこすことがある。
3.器具の消毒・滅菌に手間がかかり、不完全だと感染症にかかる恐れも。
4.空気塞栓という重篤な合併症を起こす可能性も。
つまり、週数が少ない場合は、掻爬法に比べて、吸引法の方が母体への負担は少ない(傷がつかない、早く終わる、痛みが少ない)。
でも、週数が進んだ場合は搔爬法の方がベターであり、しっかり取り切るという点でも掻爬法の方が正確なのかなと思いました。
わたしが経験した、2つの病院の流産手術方法のちがい
私は、1度目の流産手術は搔爬法で、2・3度目の流産は吸引法で行っています。
これは実施した場所が異なるからで、搔爬法が産婦人科病院で、吸引法が浅田レディースクリニックです。
搔爬法の場合は、手術後3日間は絶対安静、お仕事はもちろんお休み、家事は一切やってはいけません。
夫にお休みをとってもらうように言われましたが、年末年始だったのでなんとかセーフ。
手術前に、子宮口を広げるため器械を子宮の入口にぐっと入れられて、維持するためにスポンジのようなものを入れられました。
これが痛いよと看護師さんにも言われていましたが、思ったほど大丈夫でした。大きく呼吸しながらやれたからかな。
手術後は、重い生理痛のような感じでした。それよりも、ずっと足を広げて手術していたので、足がガクガクして歩きにくかったです(笑)。
たぶん、麻酔下でも足にめっちゃ力が入っていたみたいです。
家に帰宅してからも、お腹が痛むときがあったので安静にしていました。
吸引法は、採卵と同じように麻酔してから10~15分で終わっており、目が覚めてからも痛みはほとんどありませんでした。
手術前の処置もナシ。
痛みはというと、手術後に膣に入れられたガーゼをシュルシュル~と出される時の痛みくらい。
手術が終わって帰宅してからも、家事したし、次の日も体調に変化はありませんでした。
搔爬法の時と、全然違うんだなーと感動しました。
料金は両方とも同じくらいで、15000円くらいでした。
流産手術を経験して
はじめての流産の時は、精神的にすごくつらくて、何か月か毎日泣いてばかりでした。
私が何か流産のきっかけになるようなことをしたんじゃないか、私に原因があるんじゃないか、と自分を責めていました。
待ち望んでいた赤ちゃんとお別れするのは、とてもつらいことだったんです。
でも、夫が毎晩泣いている私に寄り添ってくれて、背中をさすってくれました。
夫婦の絆も深まったような気がします。
そして、不妊治療を再開するのに3か月ちょっとかかりました。
でも、2度目の流産からは、もう流産する可能性も考えながら行動していました。流産が決まってからも、号泣はするけど、立ち直りも前より早かったです。
私の場合、2度目の流産の時に絨毛染色体検査をして、染色体構造異常が見つかりPGT-Aへの道へ進むことができました。
流産はつらくて悲しいことだけど、次のステップへ進むキッカケになるかもしれない。
妊活や不妊治療をがんばっているみんなが、赤ちゃんを抱ける日が来ますように。
悲しみを乗り越えた先に、大きな幸せが待っていますように。
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