妊娠してからずっと考えていた出生前診断。
わたしの妊娠は、体外受精のその先の、着床前診断という技術で正常な胚を選んで、妊娠したものです。
着床前診断については過去のブログから⇒こちら
わたしには、染色体構造異常があって、子どもを授かるには着床前診断しか方法がありませんでした。
着床前診断をやってから妊娠するまでに、流産を3回経験しています。
過去の初めての妊娠のとき検討した出生前診断、今回の妊娠で検討したこと、思いなど、まとめてみました。
1度目の妊娠で考えた、出生前診断について
初めて妊娠したとき、年齢は34歳で、流産する不安もありましたが、喜びでいっぱいでした。
結果9週で流産したんですが、6週7週から、出生前診断というものについて考え始めました。
出生前診断を受けるか、受けてもし異常が見つかったら、どうするか。
夫は‟異常があったら無理だよ”、という考えでしたが、自分のお腹に赤ちゃんがいることを実感した私には、すぐには決断できず、毎日必死にネットで情報収集していました。
迷っている中、同じように不妊治療をしている友人にこのことを話すと、強く批判されました。
「不妊治療って、授かった命は、障害ありなし関係なく受け入れる覚悟でやるんじゃないの?」
何も言えませんでした。
わたしが検査を迷っていることにも、覚悟が足りない、異常があったらあきらめるっていう考えも理解できない、と。
「わたしは、どんな命でも授かった以上、責任をもって育てるよ。」と。
もうズーンと心も体も重くなりました。
この友人の考えも理解できるし、いつもはこんな強い発言をしないので、あえて言ってくれたんだろうなとしばらくたって思えました。
この問題は賛否両論あると思います。
でも、わたしは親失格なんだろうか。検査をすることは批判されるようなことなの?
好きで不妊体質になったわけじゃない。不妊治療をするってそこまで覚悟が必要なんだろうか。
さらに夫婦ふたりで一生懸命調べて、たくさん話し合って、医師にも聞いて、遺伝子専門医のカウンセリングも受けた結果、
NIPT(新型出生前診断)や羊水検査をして、陽性と確定したら、残念だけどお別れしようと決めました。
夫婦ふたりで出した答えでした。
いろんな考えがあるけど、どうするかはわたしたち夫婦次第。
自分たちの決断にはしっかり責任を持って、受け止めようと決断しました。
この時の年齢は34歳で、認可施設で受けれるNIPT検査の対象の‟35歳以上”に該当しなかったので、認可外の施設へ連絡し、採血の申し込みをしました。
申し込みをした2週間後、稽留流産となり、検査はキャンセルしました。
この経験が、今の妊娠でも糧になりました。
今回の妊娠では、出生前診断はやらないと決めました
初めての妊娠後、3度の流産を経験し、原因がわたしの染色体構造異常にあることが分かり、着床前診断を行いました。
着床前診断は、あらかじめ染色体が正常な受精卵を見つけ出すことです。
正常な受精卵を移植し、妊娠しました。
なので、わたしの今の妊娠は、妊娠前に、受精卵に染色体異常がないか、すでに検査を行っていることになります。
この着床前診断は、出生前診断とは全くの別物です。
・着床前診断ー受精卵の段階で、染色体異常がないか検査する
・出生前診断ー妊娠後、母体の採血や羊水・絨毛を用いて、染色体異常がないか検査する
着床前診断は、受精卵で検査、つまり妊娠前に行うもの。
出生前診断は、妊娠後、赤ちゃんがお腹にいるときに初めてできる検査です。
わたしの場合は、妊娠前に、受精卵で異常がない=正常と判断されて、移植し、妊娠した例です。
この着床前診断の技術の誤判定は、5~15%あるとされているので、ぜったい正常な赤ちゃんが生まれるとは言い切れません。
そして、この着床前診断検査は、受精卵の中の、将来胎盤になる細胞を5つほどとって分析しています。将来胎芽になる細胞ではないし、たった5細胞での結果です。
この検査はまだまだ未知数なもので、結果が100%合っているとは言えません。
これらの不安材料から、不妊治療クリニックを卒業するまで、毎週診察室で医師に、出生前診断をやった方がいいか相談していました。
多くの医師の答えは、「正常胚(モザイク胚ではない)ので積極的には進めない。やらなくていいのでは。」というものでした。
不妊治療クリニックを卒業し、総合病院の産婦人科へ初受診したときも、医師に相談しました。
そうすると、
「羊水検査をやる意味の、メリットとデメリットを天秤にかけた場合、つりあうのは42歳以上からなんですよ。
メリットっていうのは、異常や疾患が見つかる確率。デメリットは流産や死産になる確率。
これらの確率がトントンになるのが、42歳以上から。
daisyさんのような36歳だと、デメリットの方が大きいんです。
それに着床前診断もやってらっしゃる状況を考えると、羊水検査のような確定検査はやらなくてもいいと考えます。」
と教えてくれました。
メリットとデメリットの天秤かあ。初めて知りました。とても参考になりました。
わたしの場合、NIPTは確定検査ではないので、やるなら羊水検査一択でした。
羊水検査をやる必要があるか、という質問に対しての先生の答えになります。
これが、クアトロテスト、NIPTなら話は違ったと思います。
ですが、産婦人科医からのアドバイスにより、迷いが消え、あとは妊婦検診のエコーで見てもらおう、と決めました。
不妊治療の医師と、産婦人科の医師の助言に背中を押され、今回の妊娠では、出生前診断をやらない、と夫婦で決断しました。
出生前診断をやらないと決めて
今は妊娠13週に入ったころで、振り返りながらこの記事を書いています。
今回、出生前診断はやらないと決めましたが、不安が一切なくなったかと聞かれると、そうじゃありません。
前回12週の検診の際、エコー検査でNT(首の後ろの厚さ)を計測され、異常はありませんでしたが、まだまだ不安があるのは事実です。
初めての妊娠の時より年をとり、今は36歳です。
色んなハンデを持ちながら、ようやく授かった赤ちゃんです。
以前友人に言われたことも受けいれつつ、自分の妊娠例も理解しつつ、覚悟をもってお腹の中で育てていこうと思っています。
どんな結論になったとしても、それは夫婦で真剣に考えて出した答えです。
不妊治療9年越しの赤ちゃんが、このままお腹の中にいてくれるか、無事に生まれるか、生まれた後も元気に育ってくれるか、心配はつきませんが、会えるまでゆっくり待ちたいと思います。
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